卵の殻の中より

考えてるけど答えは出ず

歌いながら戦う

昨今はネット環境やDVDなどの映像媒体の普及によって、有難い事に地方住みの私なんかでも2.5次元舞台に限らず色々な物に触れる事ができます。

これはここ最近気づいた事なんですが、私は「歌を歌いながら戦う」みたいなシチュエーションのものが好きなんだなあと。

テニミュも勿論ですが、アニメで「戦姫絶唱シンフォギア」と言う戦闘美少女アニメがあります。

この作品は第3期「戦姫絶唱シンフォギアGX」が終わったばかりで、しかしその3期の最終話で次期に繋がるような終わり方をしていたので、その時からワクワクしっぱなしなんです。

シンフォギアに嵌ってから、よく「私はなんでこんなに歌を歌いながら戦うシチュエーションが好きなんだろう」と考える事があって、これを解き明かせれば、きっともっと好きなものが増やせる気がすると思っています。

 

私が一番最初に見た「歌いながら戦う」作品って何だろうと思いだすところから始めます。

一番古い記憶だと、多分「マクロス7」かなと。

主人公はロックバンドのボーカリストで、突如襲ってきた宇宙人の軍勢と地球人の軍が戦う戦場に、ギターを持って戦闘機に乗り「俺の歌を聞けー!」と突っ込んでいく破天荒ぶり。

戦闘機に乗っていながら敵機を撃ち落とすでもなく、本当にずっと歌ってるんです。

歌ってるだけ。敵からの攻撃も避けるだけ。

毎週その主人公の歌を聞くのが楽しみでした。

「歌いながら戦う」と言う表現は正しくない主人公でしたが、でもその歌を届ける姿勢はまさに「戦っていた」と思うし、彼が歌った歌は敵味方に等しく伝わり、作中の戦争を終わらせました。

歌う事に意義があり、歌自体に意味があったお話でとっても大好きなアニメです。

 

こういう「歌いながら戦うシチュエーション」をしっかり意識するようになったのは、シンフォギアシリーズでした。

こちらは正しく「歌いながら戦う」アニメです。

「シンフォギアシステム」と言う、敵と戦う力を発動させるのは適合者の歌と言う設定。

アニメではよく声優さんの歌が挿入歌として劇中に流れたりしますが、シンフォギアは挿入歌ではなく、本当に戦闘中にキャラが歌っています。口が動くだけでなく、攻撃で力んだ際に声が叫び声みたいになったりします。

歌の内容はその時そのキャラが感じている感情や想いや、そしてこれから私はどうしたいだとかの気持ちを歌っているので、ストーリーに沿って歌う内容が変化するところも見どころ・聴きどころです。

第2期で主人公の親友が敵の策略により洗脳型のシンフォギアを纏って主人公と戦うと言う回があったのですが、その親友の歌が主人公を想いすぎな内容で、担当声優さん自身も「重すぎる!!」と恥ずかしがっていましたが、私この歌がとても好きです。

 

ここから蛇足です。先に書きましたが、シンフォギアシリーズはいわゆる「戦闘美少女アニメ」に類されると思うんですが、シンフォギアシリーズのキャラクターは、どちらかと言うとまるで男の子みたいに描かれているなと思います。

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第3期4話のこのシーン(左上からZの形に進みます)が今まで見た中で一番イケメンなシーンだと思います。(響カッコいい…;;;響とクリスちゃんのブロマが欲しい;;;どこで買えますか;;;;;;)

ストーリーや演出がとにかく、熱い!第3期まで、これと言った恋愛要素がない。

女の子特有のじれったい感じと言うか、まどろっこしいな!みたいな所も少なくさっぱりしすぎるくらいさっぱりしているところが好感が持てます(悩んだりするところもありますが、それで話が進まないみたいな事があんまりない)

あと、すごい時代掛かった台詞を言う子が何人かいます。私JKな可愛い女の子が「蒟蒻問答が過ぎるんだよ!」って言うアニメ初めて観ました(そしてすぐ蒟蒻問答の意味を調べました)

 シンフォギアは女の子達が自分の気持ちを想いを伝えあう歌で、その歌を原動力に前に進む物語で、この先が見れる事がとても楽しみです。

 

そして歌いながら戦うと言うシチュエーションが好きなんだと確信になった作品、ミュージカルテニスの王子様

マクロス7やシンフォギアシリーズとは意味合いが違う作品ではありますが。

 

ミュージカルにする事によって差し込まれる歌。

テニミュで面白いのは試合中のセリフがそのまま歌詞に組み込まれている所でしょうか。歌の間奏に差しこまれる普通のセリフとは別に存在する、普通に話せば良いのに、そこに音階をつけて、それ歌っちゃう!?みたいなトリッキーさ。

歌う事に意義も意味もないはずなのに、歌わなければいけないシーンだと、歌が必要なんだと思わせる説得力があります。

またこの特殊な作品を特別たらしめる効果も担っていると思います。

歌っている王子様は本当に王子様に見えるんです。

ダブルスの相方に微笑みかけたり、試合中の相手を見据えたり、時に宙の遠くを見つめて全力で歌う演者さんは人ではなく限りなく2次元のキャラクターで、次元の違う私達に演者さんの身体を通してキャラクターの想いを伝えてくれます。

ストレートプレイのテニスの王子様を想像できないくらいに。

 

当初、私は「ミュージカル」が好きなのかなと思っていましたが、何でも良い訳ではなく。

ここは多大に自分の趣味とかそう言うものの割合が多くなると思います。

 

案外「戦う」という言葉は抽象的だなと、この文を書いていて思いました。

色々な場面で使える言葉。きっと「戦っていない」作品なんてそうそうないのではないでしょうか。何らかの形で戦っている。

その戦いに必要な要素として歌が存在する作品が好きなのかなあと考えがまとまりました。

 

歌の存在に意味があり、歌う事によって伝わる想いと、何かに立ち向かう強い意志が感じ取れる作品を観るのが好きです。