イベント内二人芝居の事
先日の記事の最後に書いたけんともるイベント内での二人芝居の事を書こうと思います。
過去にメモしたものの書き写しと、簡単な感想です。
この二人芝居、確か題名があったと思うんですが思い出せません。
芝居と言うより宛て書きと言うんでしょうか、そう言う内容でした。
まず映像が流れます。台詞があるのは赤澤君だけ(後述します)
お話の時期は全国氷帝が終わって直後~少し経った位?
西島君は一人で休日を満喫、赤澤君は次の現代劇の役作りで悩んでいる様子。
その日も一人で稽古場に籠っていました。
一方、お休みを満喫してる西島君。一日ブラブラ街を歩き回ったりして、陽も傾いてきた頃夕日を写メして赤澤君に送ります。
映像はここまで。
赤澤君の劇中劇のセリフと共に舞台に移行します。
稽古場と同じ格好、裸足?っぽかったです。後から登場する西島君も靴穿いてなかった気がします。
一箇所に座り込んでずっとセリフをブツブツ言いながら役に入ろうとしている所に酔っぱらって愉快になってる西島君がふざけて床を転がりながら赤澤君に近づき驚かします。
「ビックリし過ぎだよお~(ヘラヘラ)」
「っんだよ!どっから湧いて出た!(イライラ)」
真剣に悩んでる所に酔っぱらってヘラヘラしてる西島君がちょっかい掛けてきたもんだからずっとイライラしっぱなしの赤澤君。
睨まれてもヘラヘラし続け、フワフワしながら立ち上がって
「よしっ、この際だ、来い!(ファイティングポーズ)」
とか言う西島君に、思いつく限りの彼のムカつくところを並べて叫ぶ赤澤君。
物凄い早口で一気にまくし立ててたから内容は覚えていないが、とにかく
「優柔不断で頑固、いい加減で、人の話は聞いてるようで聞いてない」
みたいな事ともっと色々言っていたと思います。
流石にそれで怒った西島君も、思いつく限りの赤澤君ののムカつくところを並べて食ってかかります。
赤澤君が言った事に被せるようにやっぱり早口で一気にまくし立てる。
「そっちだって人の話聞いてないじゃないk「はあ?!俺がいつそんn「そう!それ!!人の話を聞かないんじゃない、人に話しさせないんだよ!どこ行きたい?何食べたい?聞いても曖昧な返事しかしない癖に自分の中で答えは出てる!だからこっちが提案したって全部否定するんだ!!」
みたいな、お互いがお互いの言葉に被せるような感じで怒鳴りあう。
言葉は違うけど、二人ともほとんど同じ性質の人間だってのが良く解る言い合いでした。似た者夫婦ならぬ似たもの友達。
ひとしきり怒鳴りあった後赤澤君が、呆然と
「…なんだよそれ…まるでお前じゃん」
「まるでお前」って言って凹まれた事が、他のどんな文句よりもショックだった風の西島君。
「もうちょっとで!もうちょっとで役に入れそうだったのに!」
「…なんで邪魔するんだよ…!」
「ごめん…」
流石に仕事のことに関してはすぐ謝ります。いたたまれなくて帰るねって出て行こうとするけど引き留める赤澤君。でもやっぱ帰れとか言う。どっちだよみたいなやり取りがあったり色々あったんですが、ここが一番記憶が曖昧であんまり覚えていません。次の解放された気分だろうみたいなやり取りに繋がるんですけど。
「もう、一緒に仕事してる訳じゃねえんだよ…」
「そうだよ」「気分良いだろ」
「気分良いだろ」ってなんだか少し自嘲気味に言い放つ西島君。酔っぱらってヘラヘラしてた時とは明らかに性質の違う口元の歪み方でした。
「俺は気分良かったよ、あの長い舞台が終わって。久しぶりに一人になって…あんな気分いつぶりだったかなあ…でもさ、なんか足りないんだよ…」
ちょっと間があって
「…夕日、綺麗だったな」
「でしょ!あれさあ、ともるちゃんに見せたくってさあ!」
超嬉しそうに赤澤君の側にしゃがんで顔を覗き込む西島君。その後何となく照れたように見える表情で西島君が、赤澤君が持ってた現代劇の台本をそっと取ります。イライラも収まったのか特に何も言わないし奪い返そうともしない赤澤君。
「現代劇かあ…ともるちゃん凄いね」
「凄くねえよ…」
背中合わせの様に二人で座ります。
「ねえ、続き聞かせてよ」
で、2人のセリフの掛け合いがあって二人芝居は終了です。
以下から赤澤君一人のセリフと二人の掛け合い(うろ覚え)抜粋
■映像内赤澤君一人台詞■
「それからは酷いものでした。周りの人や、世間が酷いというのではなく、ただ私が酷かったのです」
「そもそも美大に通うという事が間違いだったのです。彫刻で名を馳せようなど思ってもいない、師に教えを乞うたり、研鑽を重ねる仲間を作ったり、そのような集まりに混ざろうとも思わなかった。」
「ただただ私が酷かった」
酷かった、酷かった、と何度も呟いた後
「思い通りにならないなあ…」
も何度も呟いていた。このセリフは赤澤君自身の言葉なのか、劇中劇の「私」のセリフなのか解らない感じでした。
■二人の掛け合い(○:赤澤君、●:西島君 ですが後半どっちがどっちか解らなくなりました)■
○「私は女の唇をなぞります」
●「私は唇であなたの体温を感じます」
○「女が目を開きました。その目の中に私が映っています。私は思わず女から離れました。女が不思議そうに私を見つめています、体を横たえたまま」
●「どうしたの、と私は問います」
○「女が体をゆっくりと起き上がらせます。都合女は窓を背負うことになり、逆光で女は輪郭だけを残し、そのまま消えてしまうのではないかと思いました」
「泣いてるよ。私はそっと手を頬に当てそれをなぞります」(台詞に合わせてともるがその動作をする)
「頬を伝うそれは確かに私の体から溢れたただ一粒の、私の感情でした」
最後には「私」なのか「女」なのか解らなくなります。最後の二人の掛け合いはセリフに合わせて少し動きがあるだけで殆ど二人の朗読で終わります。
けんともるどっちかの事ではなく、このお芝居全体が「二人」の事なんだなって感じました。
いつの間にかお互いがお互いの半身になっているんだと、良くも悪くも自覚して、自分や相手の心と上手く付き合っていきなさいと言う宛て書きを書いてくださった脚本家さんのエールなのかなあと思いました(一個人の感想です)
この二人芝居の映像もシナリオも、同じ方が作ってくれたそうです(西島君談)
その作り方が、三人でお話ししてる時に
「けんとはともるのどういうとこがムカつくの?」「ともるは?」
みたいな事を聞きながら作っていただいたそうで、だから多分この二人芝居は半分は彼らの本音でできている。
今、だいぶ落ち着いて、かつ薄い記憶で思い返してみるに何だか二人はアンドロギュノスの様だなと思いました。今生で自分の片割れに再び出会える奇蹟はそうそうないだろうな。
ただそれは二人にとって幸せな事なのかどうかは、ちょっと、わかんないね